とこしえの夜

犬口マズルと申します ずっと夜が続きます

ネットプリント とこしえナイト・3月分

ネットプリント「とこしえナイト5」を発行しました。

 

◇内容◇

・自選・自由詠 8首 

・犬の短歌 6首

・夜の短歌 5首

・日記の短歌 2首

 

◇プリントについて◇

セブンイレブンのマルチコピーより印刷できます。

ネットプリントを選択→予約番号を入力→指示に従ってプリント

プリント予約番号:AAT5TBEN

価格:20円

期限:1週間(2022/4/7まで)

 

とこしえナイトは月に1度発行できるように頑張りながら1年間続ける予定のネットプリントです。同じテーマで作り続けると作歌がどう変化していくかを観察する実験でもあります。永遠に夜を終わらせないぞという気持ちでやって参ります。

 

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春になりました。あたたかくて過ごしやすい気候ですね。春は花がたくさん咲くので好きです。

さて、3月は特に掲載などがなかったので自由詠の自選をしました。どこにも載らないとき、選者の方々の厳しさや自分の短歌の拙さについて考えたりします。考えたらご飯を食べてよく寝ます。ご飯はおいしいです。

最近は丸くなったり三角になったりする日々です。やることが多くて一か月があっという間にすぎます。良いことかもしれません。心は元気でも体がついていかないときがありますね。

みなさんはお元気ですか。みなさんというのはいったい誰かはわかりませんが、元気だといいなと思っています。たくさんの、もう話すことはないかもしれない人や、すれ違った人、遠い所に住んでいる人、すべて。日々穏やかに過ぎていくことを祈ります。

 

それでは。

おやすみなさい。

引用していただきました

穂村弘さんのweb連載「本から顔をあげると、夜が」にて僕の短歌を引用していただきました。

 

 

大好きな音楽の歌詞に僕が住む街の名前があって、生きる 

 

短歌くださいに掲載していただいたものになります。とても嬉しいです。穂村さんもザ・ファブルを読むんだなと考えています。意外だなと思いましたが、意外と言えるほど僕は穂村さんのことを知らないので意外ではないのかもしれません。

 

おやすみなさい。

もっと短歌が上手くなりたいです。

ネットプリントのお知らせとは別に日記というか気持ちの整理のようなことを記します。日々のニュースを見て恐ろしさや憤りを感じています。戦争よりも侵略という言葉が適切かもしれないと思います。いま日本にいる自分ができることは寄付と、現状を見て祈り続けることだけです。

ツイッター等でも紹介されていると思いますがここにもいくつかリンクを貼っておきます。

 

在日ウクライナ大使館(Twitterに飛びます)

 

UNHCR(USA)

 

UNHCR(日本)

https://www.japanforunhcr.org/campaign/ukraine

 

非営利団体CARE

 

国境なき医師団

 

 

それでは。

おやすみなさい。

 

ネットプリント・とこしえナイト 2月分

 

ネットプリント「とこしえナイト3.9」を発行しました。

1月分の内容も若干載せているので3.9としています。

具合が悪いことを理由に1月分を休んでしまいました。

今年は健康になりたいです。

 

◇内容◇

・掲載された短歌+自選 9首

・犬の短歌 6首

・夜の短歌 5首

 

◇プリントについて◇

セブンイレブンのマルチコピーより印刷できます。

ネットプリントを選択→予約番号を入力→指示に従ってプリント

プリント予約番号:K9KD6JCY

価格:20円

期限:1週間(2022/3/7まで)

 

とこしえナイトは月に1度発行し 月に1度発行できるように頑張りながら1年間続ける予定のネットプリントです。同じテーマで作り続けると作歌がどう変化していくかを観察する実験でもあります。永遠に夜を終わらせないぞという気持ちでやって参ります。

 

前回のとこしえナイトは宣伝をしていただいたようでありがとうございました。

たくさんの人に読んでいただけたら嬉しいなという気持ちはありますが、宣伝等をしていただくことで誰かの時間を奪ってしまうことも申し訳ないのであまりお気遣いいただかなくて大丈夫です(迷惑とかではないです)

 

余談ですが、とらドラ!は15周年になるそうです。

アニメ放映から約14年なんて信じられませんね。

ちゃんと最近のアニメも見ています。オッドタクシーの劇場版楽しみです。

 

それでは。

 

笹井賞投稿作「はばないすでい!」

まんぼうが街を泳いで眠りではなく死に近づいてゆくプール

 

失った約束たちが身を投げる誰も悪くはないのだという

 

ひとり、わたし、独り。深夜誰かの信号を待つ

 

一晩中電話を繋げ透過した身体を奪い返すまじない

 

はばないすでいを綺麗な缶に詰め郵送します遠国の友

 

全身に油をかぶるもうどこが軋んでいるか分からないので

 

お湯が沸く時の匂いはやさしくて跪くから許してほしい

 

早く百年経ってくれもぎたての罪悪感も砂になるから

 

被害妄想が得意で全員が敵に見えたら眠る時間だ

 

許してと思う時ほど薄情で腕も切り落とせない愚かさ

 

水際の泡が弾けるさようなら選ばなかった方の人生

 

どん、つー、どどん鈍痛こめかみのドラムを鳴らすMs.片頭痛

 

傷つけた人たちのこと思い出す傷つけたことだけが残った

 

すべてには終わりがあると知っていて気付かなかったふりをしている

 

全身にニベアを塗って冬過ぎるまでパンケーキごっこに興ず

 

柔肌の下で蠢く地下都市を確かめている夜の唇

 

まろやかな沈黙の膜蝶々のように破って飛び去ってゆく

 

してよキスしてよ崩壊この橋は破滅に落ちるための装置で

 

灼熱に分け入った先草原で触れる冷たさここが本能

 

金星をあなたの舌で与えられ翼をなくすことの悦楽

 

不揃いを並べた夜はラディカルで個体と個体境目はなく

 

屋上に至る病を渇望し電波を拾う深夜ラジオの

 

顔ほどの煎餅割って満月を掌握できる僕の指先

 

まどろみの淵で轟音シロナガスクジラが跳ねて降りしきる雨

 

まなうらで魚が泳ぐ夢を見る時人はすべからく海

 

白百合を耳の代わりに敷き詰めて出棺を待つまでのおしゃべり

 

随分と変わったんだね映画館帰りで繋ぐ原作の手

 

正しさのひとつの例として挙げる閉店間際のパン詰め合わせ

 

暗闇に花火が上がる幻聴で並行世界の夏を探した

 

イヤホンを看取った朝は念仏の代わりに街の喧騒を聴く

 

エンドレスハイウェイ犬が行く道に名付けて僕らだけの楽園

 

蝉を見た犬を動画におさめつつゆっくり下がるここは戦場

 

大切なことはちっともわからない犬のまつげを見て陽が落ちる

 

熟れ桃の果汁こぼれてゆくように留めることのできぬ老犬

 

雪原の鼓動に鼻をうずめては仔犬すややかすややかと寝る

 

強運の持ち主でしょうこんなにも可愛い犬が家に暮らして

 

ちはやぶるロックスターの新曲でまだ生きうもう少し生きれう

 

相槌に似たふふという笑い声羽毛布団がくれる安心

 

シャツに皺つくこともなく寂しさは配信の後落ちる彗星

 

耳奥でベースがうねるベランダで月光を見てすこし鳴り止む

 

土曜日で始まる曲を土曜日に流して時間と同化してゆく

 

星を飲むことを許されたんでしょうどんな場所でも光って見える

 

背骨からあなたを抜けば器からこぼれてしまう僕の魂

 

年を取ることの尊さ変わらないあなたは写真でしか会えない

 

ライオンのたてがみほどの愛でした(なくてはならないものにたとえて)

 

:(ダカーポ)を.(ピリオド)に書き換えてゆく二度とあなたを振り返らない

 

てきぃらという劇薬に浮かされて/羽化されて共に始める夜間遊泳

 

正月にしか食べられないものが好きなつかしさみしなつかさみしい

 

善悪の振り子が揺れるどちらでもない道を行くことはどちらだ

 

耳元でさかなが笑うきんきらの鱗が舞って明日はきれい




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久しぶりの更新です(そんなに久しぶりでもないですね)笹井賞に投稿した連作を掲載しました。その時は良いと思ったけど、今読むと稚拙な作品だったなと悲しい気持ちです。なんにもならなくて悲しいなーということを受け止めて、どうしたら良い短歌が作れるか考えていかなくてはなりませんね。ともあれ、その時々でベストを尽くしていくことが大切な気がします。

これからもがんばります。姉が元気を出すんだよと言ってくれたので、元気を出してみようかなと思います。


足跡の分だけ報われることはなくとも歩く歩きたいから /短歌



それではさようなら。

お元気で。

読売歌壇・年間賞をいただきました

読売歌壇で俵万智さん選の年間賞をいただきました。

 

誰一人マスクをしないまぼろしのトーキョーを見る映画館にて

 

【評】

コロナ以前に撮られた映画なのだろう。かつてはごく当たり前だった光景が、今ではまぼろしとなってしまった。トーキョーという表現が、現実感のなさを際立たせる。

私たちはすでに、マスクではなく、マスクのない状態に違和感を持つのだ。映画を通して、日常感覚の変化が鮮やかに捉えられた。

 

2021.5.17掲載分 読売歌壇 俵万智選 

 

とても光栄なことで、信じられません。本当にありがとうございます。

僕の短歌は華々しいものでも、印象深いものでもありません。ただ地味に日々を歌うばかりです。それは人生に似ています。だからこそ、人生を肯定してもらったような気持ちです。

慢心せずにこれからも地道に頑張ります。

 

そして今日は掲載欄に見知ったお名前もあり嬉しくなりました。投稿し始めた時には自分の分があるかを確認することで精一杯でしたが、今は掲載の有無と関係なく読者として一週間を心待ちにするようになりました。

それはきっと僕がSNSを離れたからということもあるのだと思います。僕にはいいねやRTの数であったり、評判であったり様々なことを気にして素直に人の歌を楽しむことが出来ない部分がありました。誰かと戦ったり競ったりするような気持ちで短歌に接したくありません。ライバルもいりません。僕はいつも、読者でありファンであり続けたいです。来週も楽しみです。

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掲載6

雑誌・Meets Regional 2月号 

岡野大嗣と詠むレッツ短歌!に掲載いただきました。評もいただきました。

 

テーマ「願い」

死んだ虫の脚に似ているしっかりと組んだ両指から目を逸らす 

 

【評】

心底の願いはときにグロテスク。

「死んだ虫の脚」の見立てが、情にも景にもぴたりとはまる。

 

ありがとうございました。とても嬉しく思います。これからも精進します。

Meets Regionalは関西の街・飲食店を中心に様々なカルチャーを特集する月刊誌です。

今月は焼き鳥特集ですので焼き鳥が好きな人にもおすすめです。

レッツ短歌は今月から6首掲載になったのが嬉しいです。僕は鈴木梟さんの犬の短歌がとても好きでした。

次々回のテーマは「音楽」とのことです。踊りましょう踊りましょう。作りましょう作りましょう。www.amazon.co.jp