とこしえの夜

犬口マズルと申します ずっと夜が続きます

ネットプリントのお知らせとは別に日記というか気持ちの整理のようなことを記します。日々のニュースを見て恐ろしさや憤りを感じています。戦争よりも侵略という言葉が適切かもしれないと思います。いま日本にいる自分ができることは寄付と、現状を見て祈り…

ネットプリント・とこしえナイト 2月分

ネットプリント「とこしえナイト3.9」を発行しました。 1月分の内容も若干載せているので3.9としています。 具合が悪いことを理由に1月分を休んでしまいました。 今年は健康になりたいです。 ◇内容◇ ・掲載された短歌+自選 9首 ・犬の短歌 6首 ・夜の短歌 …

笹井賞投稿作「はばないすでい!」

まんぼうが街を泳いで眠りではなく死に近づいてゆくプール 失った約束たちが身を投げる誰も悪くはないのだという ひとり、わたし、独り。深夜誰かの信号を待つ 一晩中電話を繋げ透過した身体を奪い返すまじない はばないすでいを綺麗な缶に詰め郵送します遠…

読売歌壇・年間賞をいただきました

読売歌壇で俵万智さん選の年間賞をいただきました。 誰一人マスクをしないまぼろしのトーキョーを見る映画館にて 【評】 コロナ以前に撮られた映画なのだろう。かつてはごく当たり前だった光景が、今ではまぼろしとなってしまった。トーキョーという表現が、…

掲載6

雑誌・Meets Regional 2月号 岡野大嗣と詠むレッツ短歌!に掲載いただきました。評もいただきました。 テーマ「願い」 死んだ虫の脚に似ているしっかりと組んだ両指から目を逸らす 【評】 心底の願いはときにグロテスク。 「死んだ虫の脚」の見立てが、情に…

無題

本当に素晴らしい歌集を読んだ時の、体の内側から水が湧き出てきて頭のてっぺんから指先まで満たされていくような感覚。難解であっても、どれだけ時間がかかっても、理解をしたいと思う。こういう眠れない夜にふと脳裏に浮かんで来る一首があったり、描かれ…

ネットプリント・とこしえナイト 12月分

何もしていないのに今年が終わってしまいます。 何もしていないはずなのに多忙で、危うく2回目で頓挫するところでした。 ネットプリント「とこしえナイト」を発行しました。 ◇内容◇ ・前月に掲載された短歌+自選 7首 ・犬の短歌 5首 ・夜の短歌 5首 ・…

感想・新短歌教室の歌集1に寄せて

今日は2度目の更新です。僕は波があるから書ける時に文章を書いておかないと永遠に更新されないものも出てきます。というわけで歌集の感想を書きます。 ◇新短歌教室の歌集1 「新短歌教室の歌集1」は歌人の岡野大嗣さんと木下龍也さんを指導者として行われ…

連作・スーパースター

テレビから火花が散って'94加速度的なタイムスリップ 27クラブを超えたあとあなたは28で出会った TheJamもTheClashもTheWhoもTheDamnedもDr.Feelgoodも!! やまなくてマラカスの音幻聴のように鼓膜の奥で響いて おそろいのスーツで臨むステージが遠すぎるのに…

掲載5 /感想

読売歌壇に掲載していただきました。評もいただきました。風の冷たさが愛しいこの世界で最も正しく僕に冷たい/犬口マズル2021.12.14 読売歌壇 2席 俵万智選【評】この世界には、理不尽な冷たさがたくさんある。社会や人間の冷たさに比べれば、風の冷たさは理…

掲載4

読売歌壇に掲載していただきました。怒られた日は心臓にたっぷりとフリル生やしてまっすぐ帰る読売歌壇 2021.12.6 黒瀬珂瀾選掲載いただけてとても嬉しいです。自分のこと半分、二次創作半分といったところです。黒瀬さんのところには自分の中にある愛に関す…

永遠

写真が上手く撮れない。いつもブレているか、ぼやけているかで何を撮ったかわからない時の方が多い。特に犬を撮る時は顕著だ。犬は良く動くし静かな時は寝ている時か眠い時くらいだからいつもブレている。だから、写真を撮ることで記憶と記録を留めておく と…

ネットプリントを作りました

こんばんは。犬口です。 秋も深まり、いよいよ冬が近づいて来る時期となって参りました。 日に日に寒さが増してきますので耳をしまって眠っています。 「とこしえナイト」というネットプリントを作りました。 ◇内容◇ ・前月に掲載された短歌+自選 7首 ・犬…

掲載3

読売歌壇に掲載していただきました。評もいただきました。掛け違えた方のボタンが運命ですこしずれてる二人で生きる2021.11.16 読売歌壇 1席 俵万智選 【評】どんぴしゃ運命の人なんて、むしろ嘘くさいのかもしれない。ずれさえ運命だと思う前向きさ。「ボタ…

掲載2

東京新聞に掲載されました一匹(ひとり)でも眠れる犬がそばに来てあとは光年ほどの真夜中/犬口マズル東京歌壇 東直子選 2021.11.07どこまでも夜が続きます。目標近いうちにネットプリントのようなものを作りたいと思っています。日記揚げまんじゅうってどうい…

最近聴いた音楽

TheBirthday CORE4 新譜が発売された。マキシシングル…ミニアルバム…よくわからないけれどライブ版も含めて8曲も入っていてありがたい。サブスクにはライブ版がないのでCDを買ってください。MCも聴けるしポスターもついてる。 新曲が出るたびに好きになって…

連作・犬とラプソディ

Where are you going?我を見下ろせりケルベロス地獄までも共に階段の上で笑っておかえりの代わりに見せてくれる白い歯植物を愛でて歩いて周回が遅れて帰り着くかがり火台風の子供走って全身に金色背負って導いてゆくおしまいと言えばスンスン座り込みごちそ…

うれしー

辻仁成さんが主宰している「地球カレッジ」 俵万智さんがゲストの回で短歌を紹介してもらいました。 テーマ「会」 言えなかったごめんなさいに縛られて帰りの会がまだ終わらない 言えなかったがいいねとのことです。う、嬉しい…。 音声で評をもらえることが…

連作・夜に飛び乗って

【夜に飛び乗って】上昇する気圧の背中に飛び乗ってどうにか落下しないように眠ったうまかったホットドッグを食べたくて何度も何度も夢に向かうよ旦那さんかわいいすねー心にもないことを言い地獄は近いアルコール辞めれぬ父の血を止めてみたくて俺の脈を押…

【感想】読売歌壇感想

読売歌壇の好きな歌の感想を書きます。まだ伸びるぐんぐん伸びる豆苗が北斎の波のかたちに伸びる/袴田朱夏僕は日常風景の見え方が一気に変わるような歌が好きで、読んで以来こちらの歌をふとした瞬間に何度も思い出しました。俵さんの評にもあったように富嶽…

【情報】歌集を販売しています

Boothにて「とこしえの犬」という私家版歌集を販売しております。リンクにサンプルもありますので、気になる方がいたら読んでみてください。【とこしえの犬 】/ショップ名:メビウスと犬https://dog-muzzle1216.booth.pm/items/3114053また、これまでにご購入…

掲載

読売歌壇に載りました秋口の人事異動を司る暴力的なチェスプレイヤー2021.10.18 読売歌壇 俵万智選ありがたい。がんばります。この短歌は前に作った「盤上の駒であっても魂は汚されず居る不動のキング」という歌の対抗馬です。馬ではない。

黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える によせて

「あの風プロジェクト」という企画を知ったのは2020年の夏のことだ。 ナナロク社で行われた「岡野大嗣の短歌教室」に参加していて、その参加者の中にあの風プロジェクトの主催者である尾崎ゆうこさんがいた。 同級生の企画だからという気持ちもあったが、何…