とこしえの夜

犬口マズルと申します ずっと夜が続きます

掲載8・Meets Regional 6月号/余談

雑誌・Meets Regional 6月号 

岡野大嗣と詠むレッツ短歌!に掲載いただきました。評もいただきました。

 

テーマ「嘘」

臓物を見ても逃げないつもりかよ包み隠さず話してなんて

 

【評】

嘘のモザイクで隠した閲覧注意のグロテスクな本音。見たいものだけ見ていたいくせに。

 

ありがとうございました。とても嬉しいです。読んで分かる通り僕は鬱屈とした人間です。

 

Meets Regionalは関西の街・飲食店を中心に様々なカルチャーを特集する月刊誌です。今月は京都昼飲み特集。飲食店の記事以外にも芸人さんのインタビューやサウナ、本の紹介など雑誌を通して様々なカルチャーに触れることができます。

 

 

 

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【余談】

朝日さんというバンドマンがいます。彼は別名義・石風呂(ボカロP)、本名・朝日廉(バンド・コンテンポラリーな生活)での活動を経て現在は朝日名義でネクライトーキーに在籍しています。ネクライトーキーはもっささんのボーカルもありポップさが強調されていますが、石風呂名義・コンテンポラリーな生活で発表された曲は人生の上手くいかなさに着目した歌詞とどん詰まり感を吹き飛ばしてくれる軽快なメロディが中心となっていました。

 

僕の鬱屈とした精神の根底には朝日さんが作った曲があります。僕は暗いけど、暗いままで目の前の現実を殴り飛ばしたいと思っていてそれを形作ってくれたのは彼の音楽でした。

高校3年生の終わり。様々なことが上手くいかないようになり、とにかく毎日が嫌だった時期。なんとなく開いたニコニコ動画のランキングで見つけた不思議な女の子のサムネイルをクリックするとイラストから想像していなかったサウンドが部屋に響きました。軽快なメロディ、それに乗せて聞こえるミクやIAの機械的な声、歪んだギターソロ、教室や人間関係の中でのつらさを表現したまっすぐな歌詞。「少年は教室がきらいだったのだ」「きらいな人」など…そのあまりにもダイレクトなタイトルは、斜に構えてこじらせていた僕の胸をぶち抜いていきました。石風呂さんの曲は僕の苦しみを友達みたいに分かってくれるのに決して暗くはならない不思議な音楽でした。目の前に存在する最悪な現実が吹き飛んでいくような爽快感が大好きで、ただただ縋るように聴いていたことを覚えています。

 

上手くいかない時期は大学まで続きました。昔のクラスメイトに会いたくないとか、人が怖いとか、アルバイトつらーとか、めちゃくちゃぶつかられた…東京こわーとか、誰か助けてくれとか、浮かれた大学生は死ね(そういうタイトルの曲がある)とか、死んじゃいたいなとか、何もかも嫌になって考えすぎて動けない時も石風呂さんの曲があれば大丈夫でした。ちくしょう、ふざけんなっていう負のエネルギーを使えば這うようにでも生きることが出来ることを知りました。当時はあまり元気がなかったのでコンポラのライブには行けなかったですが、行っておけばよかったです。

 

あれから10年ほど経ちます。相変わらず暗くてどうしようもない僕ですがそれをどうしようもねぇなぁーと笑えるようになったことに、石風呂さん(朝日さん)の作る音楽があったからだと思います。今でもよく聴きますが、10代のつらかった日々とはまた違って聞こえて感慨深いです。あの頃よりもずっと楽になったしそんなにやいのやいの言わなくなったけど。でもやっぱり僕は暗いままで、鬱屈としたままで、現実を殴ろうと思います。以上、余談でした。長い余談だったなー。

 

 

SpotifyYouTubeで聴ける曲をいくつか紹介します。

 

嫌々々々/コンテンポラリーな生活

上記の短歌を作った時に聴いていた曲。

 

ゆるふわ樹海ガール/石風呂

公開当時様々な歌い手がカバーしていた記憶がある。ネクライトーキーでもカバーしている。

 

 

ティーンエイジ・ネクラポップ/石風呂

 

 

壊れぬハートが欲しいのだ/石風呂

 

センチメンタル・ジャンキー/コンテンポラリーな生活

ギターソロ前の「ギター俺っ‼︎」がかなりかわいい。

 

◇カバー◇

きらいな人/ネクライトーキー

ネクライトーキーがカバーしているバージョンです。生身の人間が歌うことによりオリジナルよりも現実味が出て切ない印象になりました。

 

 

それでは。

おやすみなさい。