とこしえの夜

犬口マズルと申します ずっと夜が続きます

掲載5 /感想

読売歌壇に掲載していただきました。

評もいただきました。


風の冷たさが愛しいこの世界で最も正しく僕に冷たい/犬口マズル


2021.12.14 読売歌壇 2席 俵万智


【評】

この世界には、理不尽な冷たさがたくさんある。社会や人間の冷たさに比べれば、風の冷たさは理解しやすいものだ。「愛しい」「正しく」というストレートな表現は使うのが難しいが、うまく機能している。



嬉しいです。最近はいよいよ寒くなり風の冷たさも増してきましたが変わらずがんばります。



感想


雄二匹の家族になろうテディベアに哺乳類式愛を数えて/高田祥聖


2021.12.14 読売歌壇 3席 黒瀬珂瀾


とても優しく、同時に胸が締め付けられるような作品だと感じました。テディベアという可愛らしいモチーフを使いながらも生々しく、そして切実です。黒瀬さんも書かれていましたが下の句が本当に素敵です。性別での区分ではなく、哺乳類式というより大きな生き物の括りを用いることにより今の世の中がいかに窮屈かが浮き彫りになる気がします。


以前も高田さんの短歌を拝読したことがあります(エヴァンゲリオンの短歌でした)

現代の実情や日常に対する鋭い切り口と幻想性の高い言葉の組み合わせが巧みな方だと思います。写実的になりすぎず、強い芯がありながらも輪郭が美しく滲む水彩画のような印象を受けました。


拝読できて嬉しく、また同じ新聞の中に掲載されたことを記念のように心に刻みました。



それでは、おやすみなさい。