習作短歌「泣けてくるだろ」
月曜が顔面を覗き込んでくる心もとない瞼の薄さ
おはようは巨大な蜘蛛の形容で電車にギッとしがみついてる
ずば抜けた清涼感の欲しさゆえ透明少女を駅に放った
トラブルは望まないのにやって来て小指の血潮に運命を見る
ため息をパワーコードで掻き鳴らすやっていくしかない日々のため
じゃーん今日はお昼に台湾カステラをつけてみましたと昨日の僕
勉強になりましたねって言い合ってマニュアルにないことで街が建つ
定時だよ!全員残業!ゲラゲラと笑っても闇ひたすらな闇
定時では帰れなかった天使らが街の灯りを順番に討つ
逃したしドトールに行き待つ電車免許も車もあるのに僕は
おかえりを言いに来る犬ただいまを言ってる間にどっか行くなよ
健康に留意している夕食を摂る怖いほど無垢な笑顔で
犬は海帰ってきたい場所として神秘なるものとして佇む
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泣けてくる月曜日。
犬の近況です。もうひとりの犬は寝ています。